01. サナギ
02. カラッポ
03. 光の川
04. アーケード
05. クライマックス (album Version)
06. June
07. あくび
08. 魔法
09. 秘密
10. 風なぎ
2004 Suga Shikao Official Site
01. サナギ
作詞: スガシカオ
作曲: スガシカオ
体のうすい粘膜を 直接ベタベタと触られるような
あなたのその無神経な指も ゾクゾクして嫌いじゃなかった
でも いつだってあなたときたら 放っておくと嘘ばかり
私のことを馬鹿だと はじめから思っていたくせに・・・
こんな日が来ると 思いもしなかったけど
まだそこにあなたが いる気配すら感じるの
あなたがいなくなってからもうずっと 体はサナギ色になって渇いて
冬の寒い部屋で生まれ変わるの まるでそれは美しい蝶みたいに
まだ濡れているその羽根を 誰かに駄目にされないように
少しずつひらいていくの 空を飛ぶユメを見て・・・
そんな日が不意に やってくるのだとしたら
その羽根でどこへ 飛んでいけばいいかしら
家畜に名前がないように あなたの名前を忘れてしまうの
思い出して泣いてしまうよりも あなた自体を消してしまうの
そんな日がいつか やってくるのでしょうか
あなたとの日々が もう許されるのでしょうか
そんな日がいつか やってくるのでしょうか
素晴らしい日々が いつの日か・・・
02. カラッポ
作詞: スガシカオ
作曲: スガシカオ
テレビショップの何にでもきくクリーム
夏の太陽とはみ出ちゃってるボインのピンナップ
多数決でしか決められない正義
先生が言った“みんなに来る明るい未来”
誰がウソをついた?
ぼくがウソをついた
昨日の深夜に出したハイ・スコア
迷い込んできた誰かのカゲグチのメール
死んでしまった友達の写真
流れてる血をうつさない臆病なRock’n Roll
誰のせいにしよう
* もう沢山だ カラッポなことばっかりで まともなのはぼく一人だけ
ぬすんだのは本当にぼくじゃないんだ 誰かにわかっていてほしいのに…
庭のすみっこに埋めた妹の人形
やけくそでねたバイト先の女の店長
君に宛て書いた長い手紙
“君のことを、本当はずっと好きだったんだ…”
誰かに話しちゃえよ
もううんざりだ カラッポな奴ばっかりで 正しいのはぼくだけでいい
見捨てたのは本当にぼくじゃないんだ 君にはわかっていてほしいんだ…
* repeat
もううんざりだ カラッポな奴ばっかりで 正しいのはぼくだけでいい
見捨てたのは本当にぼくじゃないんだ 君にはわかっていてほしかった…
03. 光の川
作詞: スガシカオ
作曲: スガシカオ
少し動き出した週末の渋滞の中で
となりをゆっくり過ぎる 車に目がとまった
助手席に確かに 君がいたように見えた
見まちがうわけはないんだ 心がざわついた
君の姿を確かめようとしたけど
ぼくらをむすぶ距離は はなれてしまうばかりで…
何か叫ぼうと身を乗り出したけれど
ぼくにはたったひとつの言葉さえうかばなかった
ひくく嘲笑うようなバイクの音とともに
君の車はもうずっと 先に進んでしまった
ぼくらはこの世界で 孤独を飲み込むたびに
苦笑いのふりをして 大人になろうとしたんだ
君の心を救いたいと願ったけど
ぼくらはその涙のぬぐい方もわからなくて…
君の姿を追いかけようとしたけど
信号でぼくの車は人の波にとまってしまった
途切れた願いは 消えてしまうのではなくて
ぼくらはその痛みで 明日を知るのかもしれない
すべての祈りが 輝きはしないけれど…
車はいつの間にか 光の川に消えてしまった
04. アーケード
作詞: スガシカオ
作曲: スガシカオ
ドアをそっと閉めて走り出した
真夜中の暗いアーケード
ガソリンスタンドの明かりの前で
君のほうが先に待っていた
きっともう ぼくらには 確かめあう言葉や
ノロマで行儀のいい ルールなんかはいらないみたい
ぼくらの胸の中で それはそっと始まった
誰かがとめるなんて 出来るわけがないから…
夏のぬるい空気と風の中に
ぼくらは未来を見つけた
アーケードも街も君の服も
夜のままがいいのに…
だって今ぼくたちを 悲しませる声や
誰かの無関心の口笛さえ聞こえないもの
明日の朝ぼくらは ひどい睡眠不足で
それぞれの毎日に とけ込んでしまうけれど…
ぼくらの胸の中で それはそっと始まった
誰かがとめるなんて 出来るわけがないから…
05. クライマックス (album Version)
作詞: スガシカオ
作曲: スガシカオ
いま ぼくはもしかすると 世間一般で言ういわゆる
「ふられてしまう」という クライマックスに遭遇している…?
ドラマの最終話で 主役じゃない方がふられちゃうシーンみたいだ
君は白々しく言うんだ「ずっと友達でいよう」って
ぼくはたぶん「今まで ありがとう…」なんていうかもね
世界中のヤケクソは きっとこんな風に生まれてしまう
最終電車にのって 家にたどりつく間
“青春ってそんなもんか…”って 目を閉じて考えていた
気がついたら終点でぼくは一人 目を覚ましたんだ
こんな時ぼくたちは そこにあるはずの答を
探して 悩んで 泣いて ほんとは何にもないのかもね
答があるフリをして 風に吹かれるのはやめにしよう
どんな悲しみだって 忘れてしまうというけど
どんなにくしみだって いつか許せるかな
ぼくがぼくであるために 明日がありますように…
最終電車にのって 家にたどりつく間
“青春ってそんなもんか…”って 目を閉じて考えていた
気がついたら終点でぼくは一人 目を覚ましたんだ
どんな悲しみだって 忘れてしまうというけど
どんなにくしみだって いつか許せるかな
ぼくがぼくであるために 明日がありますように…
06. June
作詞: スガシカオ
作曲: スガシカオ
雨がやんだ後の むっとした空気の中で
はじめて見る街の 景色にドキドキしてた
高いエントツと 機械油のにおい
生まれた街の 靴じゃ歩きにくいみたい
June 新しい街に来て 今
何もかもが 生まれかわる気がした
June 許されなかったウソも ユメも
もしかしたら やり直せるかもって
くちびるをかんだ
不安と武者ぶるいで いくつかの夜がすぎた
なんだかなじめなくて タメ息が夜にあふれた
母親はいつも 何かにイラついて
家の中にも 街にもうんざりしていた
June 夏が来る気配だけが もう
すぐそこにまで ちかづいてきている
June どこまでも続いてる 道を
後もどりしても 居場所なんてもうきっと
どこにもないと思うんだ
June 雨上がりの街に 赤い
夕陽がおちて 工場のサイレンが響く
June 君に書く手紙には つい
“元気でいます”と 書きはじめたけど・・・
それでいいと思う
07. あくび
作詞: スガシカオ
作曲: スガシカオ
ここ2かばかりぼくは まるで眠れなくて
深夜になってやっと ベットにもぐり込んだ
ほどなく隣で女の濡れた声
昔の彼女のこと なんとなく思い出した
眠らなきゃと思うと 余計に目が冴えた
知らないうちにちょっとだけ ユメに落ちていた
窓の外では“みかん売り”の枯れた声
遠くにいる母親の 声色に少し似てた
ぼくが眠るのを 誰かが邪魔してるみたい
ねえもしかすると大がかりな ワナかも知れないんだ
ぼくを寝かさずに おかしくさせる気らしい
考えすぎとは思うけど 最近様子が変なんだ
隣の暇な女の笑い声
あの日の情婦の目を なんとなく思い出した
こんなに限って 君の電話が鳴るんだ
いつになくぼくに気がありそうな そうでもないような…
こんな日に限って 君の話ながいんだ
またぼくは今日もねむれないよ
誰かのたくらみ通りさ…
08. 魔法
作詞: スガシカオ
作曲: スガシカオ
何故あの日 ぼくの部屋で 朝まであんなことしていたんだっけ?
右手からあの女のニオイがずっと いつまでたっても消えやしない
ぼくに今つきまとう ひどいコンプレックスみたいに・・・・
誰かに笑われたんだ サカナが腐ってるみたいなニオイがするって
何度も洗っていたら 指に血がにじんで赤い水ながれた
* そうだ こんな時 君が話していた
あれさえあれば 楽になれるのに
明日の朝早く 君に相談してみよう
あのマホウノクスリって 名前なんていったっけ?
じっとしていると 暗闇から小さな虫が壁にわいて
部屋中の空気を吸い尽くすから つかまえてつぶしたら
赤い波ながれた
ぼくをずっと支配している 父親の夢みたい…
たぶん これ以上 我慢できないと思う
あれさえあれば 恐くはないのに
今すぐにしよう 君の電話してみよう
あのマホウノクルリって 少し余分にないの?
ぼくのことこれ以上 支配したらはしないで…
* repeat
たぶん これ以上 我慢できないと思う
あれさえあれば 恐くはないのに
今すぐにしよう 君に電話してみよう
あのマホウノクスリって どこで手にいれたの?
09. 秘密
作詞: スガシカオ
作曲: スガシカオ
ねぇ 気になって友達に聞いてみたんだ
君がちょっといない間に…
ぼくらがそっと内緒で会っていること
誰にも話していないよね?
thu-lu-thu thu-lu-thu
どこで何をしていても
thu-lu-thu thu-lu-thu ぼくだけの君
もしも君とみんながいる廊下で
偶然すれ違ったとしても
ぼくのことを振り返ったりはしないで
そわそわした目で見ないで…
thu-lu-thu thu-lu-thu 君のすました顔
thu-lu-thu thu-lu-thu ぼくだけのもの
誰も君の心には
さわらせたくはないから…
※その消えてしまいそうな
ぼくらの秘密に
誰かが触れてしまうと
きっとこわれてしまうから
ぼくが永遠にそれを
守るつもりでいるんだ※
ねぇ 気になって電話をしてみたんだ
なんだか浮かない顔していたし…
もしかしたら 誰かにぼくらのこと
相談していたりしないよね?
ねぇ このまま僕ら終わってしまっても
何もなかったと言えばいい
ねぇ このまま秘密でいさえすれば
いろいろと都合もいいし
thu-lu-thu thu-lu-thu それは君のため
thu-lu-thu thu-lu-thu そして僕のため
誰もぼくらの世界には
さわらせたくはないから…
(※くり返し)
10. 風なぎ
作詞: スガシカオ
作曲: スガシカオ
はじめからそのつもりで 君はいたのかも…なんて
それならそれで別にいいや 今さら確かめようもない
誰を憎んだらいい? 何をおし殺せばいい?
手をふらずに去っていく方は ぼくより悲しいのかなぁ…
ねえ今ぼくの胸は はりつめてしまうばかりで
ただ 涙だけがだらしなくおちるのです
悲しみは波のように 何度も繰り返すらしい
悪い爪をはぐ時みたいに いつかゆっくり剥がれていくのかなぁ
ただ深い青に沈む 空はお別れの色
ぼくらが祈る声はなぜ ふがいなくこんな薄っぺらいんだろう…
ねえ 今日 ぼくたちはそれぞれの光を探し
あたりまえのように 明日へと歩きだします